~まず、やりたいことを口にしてみる。そうすれば、きっと何かが変わる~

「いつでもしあわせ思考で生きていくと決めました」 

神戸のママサークル「BIMAMA」をつくった 楠本彩さん

☆楠本さんは、神戸のママサークル「BIMAMA」の代表でした。サークルには一時300名以上のメンバーがいたとか?

2009年、子どもが1歳になった頃思いました。育児中ってどうしても子どもの世話に追われてしまいますが、ちゃんと育児もしながらおしゃれや自分のことも楽しんでもいいじゃない?って。そして、きっと私と同じような考えの人が他にもいるはずって思ったので探そうと。ママ友ではなく、友達だけどママだったという感じでの友達を作りたいと思いました。私一人より、みんなで何かをした方が楽しいし、世界も広がると思ったのでSNSで自分からメールして。最初は5~6名の集まりだったのが、3か月後には50名以上になり半年で180名。そんな調子でどんどん人が集まってきました。もちろん最初はこんなに大きなサークルになるとは思いもしませんでした。

☆「BIMAMA」に人が集まった理由は何だと思いますか?


「他のサークルにはマネのできないことをしよう」って、いつも考えていました。例えばクリスマスパーティーを企画した時は、BIMAMAなりの「ドレスコード」を設定してみたり。もちろんみんな子どもがいるので無理なことを押し付けるのではなくて、制限がある中で工夫を凝らしておしゃれすることを楽しむとか。そんな小さなことが、響く人には響くものだと思います。「楽しい、また来たい。友達も誘いたい」ということで、無理に勧誘しなくても人が集まっていました。そのうちに、雑誌やメディアなどからも注目されるようになりました。

☆ということは、「BIMAMA」は芸能活動をすることが目的だったのですか?

 

いえ、違います。私は「いつも自分らしく生きていきたい。自分にしかできないことをしたい」と思い、どうすればそんな生き方が出来るかをずっと探ってきました。自分で何でも経験してみないと「自分らしい」ってどういうことなのかもわからないじゃないですか。芸能活動もあくまでも「自分磨き」の一環です。だから、私以外のメンバーに対しても、いろんな経験をしてみるようにすすめていました。

☆残念ながら3月で「BIMAMA」は解散したそうですね。

 

発展的な解散だと思います。BIMAMAは営利目的で人が集まったのではなく、「自分を磨きたい」という思いや「面白い経験ができる」といった「形の無いもの」に魅力を感じた人が集まっていただけに、そこに集う「人」を大切にすることが大事だと思っていました。だからこれだけ大所帯となっても、一人一人とのコミュニケーションを大切にしようと心がけていました。でも、やっぱり時間には限りがあるので、だんだん思うようにはいかなくなって。中途半端な関わり方だとお互いにストレスを感じますし。そんな状況がしばらく続いたこともあり、私もメンバーもさらに別のステージに上がるためにも解散したほうがいいと思い、決めました。もちろん「BIMAMA」でできた「ネットワーク」は関わっていた人すべての宝物だと思います。

☆楠本さんの次のステージについて聞かせてください

 

仕事として、その人の「強み」を活かすお手伝いをしたいと思っています。内面の強みも外見の強みもぜんぶ合わせて、その人が最も素敵に見える提案というか。BIMAMAでたくさんのママと出会ったことで、一人一人の「持ち味」をどう活かせばいいのかということを学びました。その経験を活用できると考えています。

☆今、社会とつながってないと感じて悩んでいるママに何か一言。

 

「ママじゃなくてわたしの時間」を短時間でも作ってみては。本当に自分がやりたいと思うことにひたる時間を作るって、大切なことだと私は思います。育児に役立つかどうかなんて、その時間だけは考えなくていい。他の人からみたら「無駄~」と思うことでも、大切なのは「自分」がどう感じているかということ。自分が心からやりたいと思うことをやっていると、いろいろポジティブなことが浮かんできて、良いアイデアも浮かんでくると思います。最初から「将来役に立つかなあ」とか「社会とつながることをしたい」と考えていたら、「無理、やっぱりできない」とかえってネガティブになってしまいがち。「自分が何をすれば幸せと感じる」ということにもっと敏感になればHappyになれるんじゃないかな。